60歳からのオークション挑戦——デジタルに強い"シニア起業家"が増えている
目次
- シニア起業が過去最高を更新している
- なぜオークションがシニアに向いているのか——5つの理由
- シニアが持つ3つの強みがオークションで生きる
- オークションSaaSがシニア起業の参入障壁を下げている
- 60歳からのオークション起業——5つのステップ
- よくある質問
- まとめ:第二の人生は"自分だけの市場"を創るところから始まる
1. シニア起業が過去最高を更新している
60歳以上の起業家割合が過去最高に
帝国データバンクの調査によると、2024年に設立された新設法人のうち、代表者が60歳以上の割合は18.6%に達し、前年の17.0%を上回って過去最高を記録しました。さらに2025年には、この割合が20.5%まで上昇し、初めて20%台に到達しています。集計可能な2000年以降でいずれも過去最高の水準です。
この背景として、インターネットの活用に比較的慣れている世代であること、副業・兼業を解禁する企業が増え起業の心理的ハードルが下がっていること、政府の起業支援策が充実してきたことなどが指摘されています。「60歳を過ぎたら引退」という考え方は、必ずしも一般的ではなくなりつつあります。
人生100年時代が変える「働き方」
この背景には、人生100年時代の到来があります。60歳で定年を迎えても、そこから30年以上の時間が残されています。実際に高齢になってから起業して成功している事例は数多く存在します。カーネル・サンダースは65歳でKFCを創業し、世界的企業に育て上げました。日本でも、ライフネット生命保険を60歳で創業した出口治明氏は、シニア起業の代表的な存在として知られています。
シニアのデジタルリテラシーは高まっている
「シニアはデジタルが苦手」というイメージは、変わりつつあります。日経新聞の報道によれば、シニア層の6割以上がネットショッピングを経験しており、約3割がネットオークションを利用したことがあるとされています。インターネット利用率も高い水準に達しており、オンラインでの情報収集や買い物に慣れているシニアは増加していると考えられます。
2. なぜオークションがシニアに向いているのか——5つの理由
理由1:初期投資が少ない
オークションサイトの開設は、月額のSaaS費用で始められるサービスが多く、初期費用を抑えて始めやすいという特徴があります。退職後の限られた資金で大きなリスクを取らずに新しい挑戦ができる点は、シニア起業にとって重要な要素です。
理由2:在庫リスクを抑えやすい
自分のコレクションを出品する、委託販売で他人の商品を預かって売る、小規模な買取・転売から始めるなど、在庫リスクを抑えた始め方が可能です。
理由3:場所を選ばない
オークションはオンラインで完結するため、店舗を持たず自宅を拠点に運営できます。家賃や光熱費といった固定費がかからず、体力面の不安がある方でも続けやすいビジネスです。
理由4:時間的な制約が少ない
決まった時間に働く必要がなく、自分のペースで作業できます。週に数時間だけの運営も可能で、体調に合わせて柔軟に調整できる点は、健康管理が重要なシニアにとって安心材料になります。
理由5:知識や経験がそのまま活かせる
オークションで重要なのは、商品の価値を見極める目利きと信頼関係の構築です。長年集めてきたコレクションの知識や、業界で培ったネットワーク、人生経験から得た「人を見る目」は、いずれもオークションビジネスの資産になり得ます。
3. シニアが持つ3つの強みがオークションで生きる
強み1:目利き力
オークションでは、商品にどれだけの価値があるかを見極める力が重要になります。長年の経験を通じて特定の分野の価値を見抜く目を養ってきたシニアにとって、これは大きな資産です。
強み2:人脈
シニアが築いてきた人脈は、オークションビジネスの武器になります。同業界の知人が出品者になったり、趣味の仲間が最初の買い手になったりと、信頼できるつながりが顧客獲得を後押しすることがあります。
強み3:語れる力
オークションで評価される商品には、多くの場合ストーリーがあります。どこで見つけたものか、どのような背景で作られたか——豊富な人生経験を持つシニアは、こうした商品の背景を「語る」ことに長けている場合があり、これが商品の価値を伝える力になります。
4. オークションSaaSがシニア起業の参入障壁を下げている
かつてオークションサイトを開設するには、多額の開発費用と専門的なIT知識が必要でした。しかし、クラウド型のオークションシステム(SaaS)の登場により、ITに詳しくない方でも比較的短期間で本格的なオークションサイトを開設できる環境が整いつつあります。
商品登録や管理画面の操作をシンプルにする、スマートフォンから出先でも操作できるようにするなど、デジタルに不慣れな方でも扱いやすい設計を重視したサービスも増えています。こうした環境の変化が、シニア起業における技術面のハードルを下げていると考えられます。
5. 60歳からのオークション起業——5つのステップ
ステップ1:「自分の武器」を棚卸しする
まずは、自分にどんな知識や経験、人脈、扱える商品があるかを整理しましょう。大切なのは「新しいことを学ぶ」ことより「すでにあるものを使う」という視点です。
ステップ2:最初に扱う商品を決める
最初は自分が一番詳しいものを選ぶことをおすすめします。コレクション(趣味で集めてきたもの)、工芸品・骨董品(目利きが活かせる)、ヴィンテージ品、専門書・資料などが候補になります。
ステップ3:オークションSaaSを選び、サイトを開設する
サービスを比較検討し、実際に使い勝手を試してみることをおすすめします。基本設定を行い、まずは数点の商品を出品してみましょう。
ステップ4:「最初の1件」を目指す
最初の目標は、1件でも落札を成立させることです。知人・友人にサイトを知らせる、SNSで発信する、既存のネットワークに声をかけるなど、身近なところから始めることが有効です。
ステップ5:楽しみながら続ける
無理のないペースで続けること、小さな成功を喜ぶこと、楽しさを優先することが、長く続けるための鍵になります。
6. よくある質問
Q1. パソコンやスマホの操作に不安がありますが、始められますか?
A. 近年は操作をシンプルにしたオークションシステムも増えており、スマホだけで運営できるサービスもあります。まずは実際の画面を確認してみることをおすすめします。
Q2. 元手がなくても始められますか?
A. 自分のコレクションを出品することから始めれば、大きな元手は必要ありません。まずは小規模に試してみることをおすすめします。
Q3. どんな商品から始めるのがよいですか?
A. 自分が一番詳しい商品、愛着のある商品から始めることをおすすめします。目利き力や語れる力が活きやすくなります。
Q4. 体力的な不安がありますが、続けられますか?
A. オークション運営は自宅で完結し、自分のペースで作業できるため、体力面の負担は比較的小さいビジネスです。
Q5. 最初の顧客はどうやって見つければよいですか?
A. 知人・友人への告知や、SNSでの発信、既存の人脈を活用することが、最初の一歩として有効です。
Q6. 60歳から始めるのは遅くないですか?
A. 帝国データバンクの調査でも60歳以上の起業割合は年々増加しており、遅すぎるということはありません。長年の経験や人脈は、若い世代にはない強みになります。
7. まとめ:第二の人生は"自分だけの市場"を創るところから始まる
この記事のポイント
1. シニア起業は過去最高水準にある 2025年には60歳以上の起業家割合が20.5%に達し、2000年以降で最高を記録しています。
2. シニアのデジタルリテラシーは着実に高まっている ネットショッピングやネットオークションの利用経験を持つシニアは少なくありません。
3. オークションは初期投資・在庫リスクが小さく、知識や経験を活かせるビジネスである 場所を選ばず、自分のペースで取り組める点も、シニア起業との相性の良さにつながっています。
4. シニアには「目利き力」「人脈」「語れる力」という強みがある これらはオークションビジネスにおいて重要な資産になり得ます。
5. オークションSaaSの普及が、参入障壁を下げている ITに詳しくなくても、比較的短期間で本格的なオークションサイトを開設できる環境が整いつつあります。
60歳からの挑戦は、決して遅くありません。長年の経験と人脈という武器を持っているからこそ、若い世代にはない強みを発揮できる可能性があります。