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オークション運営者が知っておくべき法律・規制【2026年最新版】

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⚠️ 免責事項 本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的アドバイスではありません。個別の状況については、必ず弁護士・行政書士などの専門家にご相談ください。法律は頻繁に改正されるため、最新情報は各省庁の公式サイトでご確認ください。


目次

  1. オークション運営と法律:まず全体像を把握する
  2. 古物営業法:最も重要な届出義務
  3. 特定商取引法:サイトに必ず表示すべき情報
  4. 個人情報保護法:会員情報の適切な管理
  5. 消費者契約法:クーリングオフと利用規約の注意点
  6. 業界別に注意すべき個別規制
  7. 違反した場合のリスク

1. オークション運営と法律:まず全体像を把握する

「法律の話って難しそう...」と感じる方も多いと思います。しかし、オークションサイトの運営には複数の法律が関係しており、知らなかったでは済まされないのが現実です。

オークション運営に関係する主な法律

法律 主な内容 誰に関係するか
古物営業法 届出義務、盗品対策 ほぼ全事業者
特定商取引法 サイト表示義務 BtoC事業者
個人情報保護法 会員情報の管理 全事業者
消費者契約法 利用規約、返品対応 BtoC事業者
景品表示法 誇大広告の禁止 全事業者
不正競争防止法 商標・著作権侵害品 全事業者

「場の提供者」と「出品者」で義務が異なる

オークションサイト運営者の法的立場を理解することが最初のステップです。

場の提供者(プラットフォーム事業者): 自分では商品を売買せず、出品者と入札者をつなぐ「場」だけを提供する

出品者: 実際に商品を出品して売買する


2. 古物営業法:最も重要な届出義務

「古物競りあっせん業」の届出とは

インターネット上でオークションサイトを運営する場合、「古物商許可」ではなく、「古物競りあっせん業の届出」(古物営業法第10条の2第1項)が必要です。

これは多くの運営者が誤解しているポイントです。「古物商許可」と「古物競りあっせん業の届出」は全く別物です。

古物商許可 vs 古物競りあっせん業 の違い

項目 古物商許可 古物競りあっせん業の届出
対象 自ら中古品を仕入れて販売する事業者 中古品の売買の「場」を提供する事業者
手続き 都道府県公安委員会の「許可」 公安委員会への「届出」(許可不要)
申請先 営業所を管轄する警察署 公安委員会(警察署経由)
費用 19,000円 無料
期間 約40日 比較的短い

どちらが必要か?

古物競りあっせん業の届出が必要:

  • サイトを開設し、利用者から月額料金や手数料を徴収する
  • 出品者と入札者のマッチングを行う

古物商許可が必要:

  • 自分自身が中古品を仕入れて出品・販売する
  • 出品者から商品を預かり、自らが販売する

届出が不要なケース: ユーザーからは対価を徴収せず、バナー広告などの広告収入だけで収益を上げるのであれば、当該届出は不要です。

届出の手続き

提出先: 主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(警察署経由)

届出期限: 営業開始の日から2週間以内に公安委員会に所定の届出をする必要があります。

届出後の義務:

インターネットオークションサイト運営者は、出品者から中古品を出品してほしい旨の申込みを受けようとするときは、その相手方の真偽を確認するための措置をとるよう努めるとともに、中古品の売買をしようとする者のあっせんを行ったときは、その記録の作成及び保存に努めなければなりません。

ただしこれらは「努力義務」であり、古物商や古物市場主のような強制義務ではありません。

2025年10月施行:古物営業法施行規則の改正

2025年10月1日、古物営業法施行規則が改正されました。この改正は、近年深刻化している金属盗難問題に対応するため、特定の金属製品の買取りに関する規制を強化するものです。

改正の要点: 今回の改正で最も重要な点は、「対価の総額が1万円未満の取引」における本人確認および帳簿記載義務の免除規定が、新たに追加された特定の金属製品には適用されなくなったことです。これにより、対象品目を含む取引は、たとえ数百円といった少額であっても、法律で定められた正規の本人確認手続きと、帳簿への詳細な記録が義務付けられることになりました。

影響を受ける業界: 金属くず、電線、銅製品などを扱うオークションサイトは特に注意が必要です。

知的財産権侵害品への対応義務

オークション事業者はオークションサイトに権利侵害品が出品されたことを認識した場合には速やかに調査をして削除等の対応をする必要があります。

具体的に必要な対応:

  1. 商標権・著作権侵害品の通報フォームを設ける
  2. 報告を受けたら迅速に調査する
  3. 侵害が確認されたら即座に削除する
  4. 対応記録を保管する

放置した場合のリスク: ウェブページの運営者が出店者による商標権侵害があることを知ったときまたは知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるに至ったときは、その合理的期間内に商標権侵害を理由に差止請求と損害賠償請求をすることができると解するのが相当です。

つまり、知っていたのに放置した場合、運営者も損害賠償責任を問われる可能性があります。


3. 特定商取引法:サイトに必ず表示すべき情報

特定商取引法とは

消費者が不利益を受けやすい取引を規制し、消費者を保護する法律です。オークションサイトは「通信販売」に該当するため、この法律が適用されます。

サイトに必ず表示しなければならない事項

運営者情報(特定商取引法第11条):

項目 個人事業主の場合 法人の場合
販売業者名 氏名(屋号があれば両方) 法人名
所在地 住所 本店所在地
電話番号 必須 必須
メールアドレス 必須 必須
代表者氏名 個人名 代表者名
販売価格 送料含む総額 同左
支払方法・時期 必須 必須
商品の引渡時期 必須 必須
返品・交換の条件 必須 必須

注意:自宅住所を公開したくない場合 プライバシー保護のため、以下の対応が認められる場合があります:

  • 私書箱の住所を使う
  • 弁護士・行政書士の事務所住所を使う(契約が必要)

ただし、消費者からの請求があれば実住所を開示する義務があります。

古物商許可証の表示義務

古物商は、オンラインサイトなどで古物を販売する場合には、3つの事項(営業者の氏名や名称、古物商許可を受けた公安委員会の名称、12桁の古物商許可番号)をサイト上に記載する義務があります。

広告・表示に関する規制(景品表示法)

オークションサイトの商品説明や広告に関して、以下の表示は禁止されています。

優良誤認表示(禁止):

  • 実際より著しく優良であると誤認させる表示
  • 「市場最高品質」「世界一」などの根拠のない表示
  • 真贋不明なのに「本物保証」と表示

有利誤認表示(禁止):

  • 実際より著しく有利であると誤認させる表示
  • 「相場の半額」と書きながら実際はそうでない

違反した場合: 消費者庁から措置命令、課徴金(売上の3%)が課される可能性があります。

2026年以降の特定商取引法改正動向

2026年1月に「デジタル取引・特定商取引法等検討会」が設置され、両検討会は2026年夏頃を目途に「中間とりまとめ」を公表する予定です。その後に改正法案作成、パブリックコメント、国会審議を経るため、改正法の公布・施行は2027年以降というスケジュール感になる見込みです。

特にデジタル取引への規制強化が議論されているため、今後の動向を注視しましょう。


4. 個人情報保護法:会員情報の適切な管理

オークションサイトが扱う個人情報

会員登録や取引を通じて、以下の個人情報を取得します:

  • 氏名・住所・電話番号・メールアドレス
  • 支払い情報(クレジットカード情報など)
  • 取引履歴
  • IPアドレス・Cookie情報

これらはすべて「個人情報」であり、適切な管理が義務付けられています。

事業者が守るべき主な義務

義務1:利用目的の明示

個人情報を取得する際には、利用目的を明確に示す必要があります。

OK例: 「取得した個人情報は、①商品の発送、②お問い合わせへの対応、③メールマガジンの配信に使用します」

NG例: 「個人情報は適切に管理します」(目的が不明)


義務2:安全管理措置

個人情報の漏洩を防ぐための対策が必要です。

最低限必要な対策:

  • SSL/TLS暗号化通信(https化)
  • パスワードの適切な管理(ハッシュ化)
  • アクセス権限の管理
  • 定期的なバックアップ
  • 不要になった個人情報の削除

義務3:第三者提供の制限

本人の同意なく、個人情報を第三者に提供してはいけません。

例外(同意なしで提供できる場合):

  • 法令に基づく場合(警察からの要請など)
  • 人の生命・身体の保護のために必要な場合

義務4:漏洩時の報告義務

個人情報が漏洩した場合、以下の対応が必要です:

  1. 個人情報保護委員会への報告(速やかに)
  2. 本人への通知(速やかに)
  3. 再発防止策の実施

報告が必要なケース:

  • 不正アクセスによる情報漏洩
  • 誤った宛先への発送
  • システム障害による情報流出

プライバシーポリシーの作成

プライバシーポリシーには以下を記載します:

1. 取得する個人情報の種類
2. 利用目的
3. 第三者への提供
4. 個人情報の管理
5. 本人による開示・訂正・削除の手続き
6. Cookie等の使用について
7. お問い合わせ先

注意: コピペのプライバシーポリシーはNG。実際の運営内容と一致していなければ、かえってリスクになります。

2026年個人情報保護法改正の動向

2026年1月9日、個人情報保護委員会は「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しの制度改正方針」を公表し、次回の改正に向けた具体的な方針を明確にしました。現時点では詳細なスケジュールは確定していませんが、2026年の通常国会にて改正法案が提出されることが期待されており、今後の審議の行方に注目が集まっています。

改正で議論されている主な論点:

  • 生成AIへの個人情報提供に関するルール
  • 課徴金制度の導入
  • 安全管理措置の具体化
  • 団体訴訟制度の見直し

特に「課徴金制度」が導入された場合、違反に対するペナルティが大幅に強化されます。今のうちから個人情報管理体制を整えておくことが重要です。


5. 消費者契約法:クーリングオフと利用規約の注意点

消費者契約法の基本

消費者と事業者の間の情報格差を補うため、消費者を保護する法律です。特に「利用規約」の内容に大きく影響します。

利用規約で無効になりやすい条項

以下のような条項は、消費者契約法により無効とされる可能性があります。

無効になる可能性が高い条項例

NG: 「いかなる理由があっても返金しない」

理由: 事業者の帰責事由による損害まで免除することはできない

NG: 「当サイトの都合でいつでもサービスを終了できる。この場合、利用料の返還はしない」

理由: 消費者に一方的に不利な条項は無効になる可能性がある

NG: 「紛争は当社の裁量で解決し、その決定に従うこと」

理由: 消費者の法的権利(裁判等)を制限できない

適切な条項の書き方

OK例(返品ポリシー):

【返品・返金について】
以下の場合、商品到着後7日以内に限り返品を承ります。
・商品に説明と著しく異なる欠陥があった場合
・誤発送があった場合

上記以外の理由による返品はお受けできません(中古品の特性上)。
返品の場合、送料はお客様負担となります。

オークション特有のクーリングオフの扱い

重要: 通信販売(オークションサイト)には、原則として法定クーリングオフ制度は適用されません

ただし、以下の場合は注意が必要です:

  • 利用規約にクーリングオフ期間を設けている場合(任意の返品保証として有効)
  • 商品説明と著しく異なる場合(民法上の契約不履行として対応義務あり)

利用規約作成の基本方針

利用規約の作成にあたっては、事業者側が一方的に有利となるような規約を置いた場合、事業者の評価や運営サイトの人気が落ちてしまう恐れもありますので、あまり一方的な規約とならないよう注意しましょう。

利用規約に含めるべき主な項目:

  1. サービスの概要
  2. 会員登録・退会
  3. 出品・入札のルール
  4. 落札後の取引フロー
  5. 禁止事項
  6. 支払い・決済
  7. 返品・キャンセルポリシー
  8. 個人情報の取り扱い
  9. 免責事項(適切な範囲で)
  10. 規約の変更
  11. 準拠法・管轄裁判所

利用規約は必ず弁護士にチェックしてもらうことを強く推奨します。


6. 業界別に注意すべき個別規制

取り扱う商品によっては、追加の許可・規制が必要になります。

中古品全般:古物商許可

必要なケース: 中古品を仕入れて(買い取って)販売する場合

例:

  • リサイクルショップが出品する
  • 仕入れた中古カメラをオークションで販売する

許可が必要にも関わらず無許可で営業していた場合、「古物営業法違反」となり「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が課せられる場合があるのでご注意ください。

申請の流れ:

  1. 営業所を管轄する警察署に申請書を提出
  2. 手数料:19,000円
  3. 審査期間:約40日
  4. 許可証の交付

食品:食品衛生法・食品表示法

食品をオークションで取り扱う場合:

食品衛生法:

  • 食品を製造・販売する場合、保健所の営業許可が必要
  • 食品衛生責任者の設置
  • 施設の衛生基準を満たす必要あり

食品表示法:

  • 原材料名、アレルゲン、賞味期限などの表示義務
  • 生鮮食品にも産地表示が必要
  • 栄養成分表示のルール

注意: 農産物(野菜、果物)を業として継続的に販売する場合も、規模によっては届出が必要になることがあります。


畜産・生体:家畜伝染病予防法・動物愛護管理法

生体(牛・豚など)を扱う場合:

  • 家畜伝染病予防法に基づく検査証明が必要
  • 移動制限区域内での取引禁止
  • 識別番号(個体識別番号)の適切な記録

ペット(犬・猫など)を扱う場合:

  • 動物取扱業の登録が必要(都道府県への届出)
  • 対面販売の義務(ネットのみでの販売禁止)
  • 生後56日以内の犬猫の販売禁止

金融・有価証券:金融商品取引法

株式、債券、外国為替などを扱う場合: 金融商品取引業の登録が必要(内閣総理大臣)

注意: 不動産の「権利」(投資目的)をオークションで扱う場合も規制対象になることがあります。


医薬品・医療機器:薬機法

医薬品・医薬部外品・化粧品の販売:

  • 薬局開設許可または販売業許可が必要
  • 無許可販売は刑事罰の対象

医療機器:

  • 販売業・賃貸業の届出・許可が必要(クラスにより異なる)
  • 個人輸入品の転売には注意が必要

自動車・バイク:道路運送車両法

中古車・バイクを扱う場合:

  • 古物商許可(自動車)が必要
  • 陸運局への移転登録手続きの対応

7. 違反した場合のリスク

法律を知らずに運営し、違反してしまった場合のリスクを現実的に把握しておきましょう。

リスク1:刑事罰

違反内容 罰則
古物商無許可営業 3年以下の懲役または100万円以下の罰金
古物競りあっせん業の届出未提出 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
個人情報の不正提供 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
食品衛生法違反 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
薬機法違反(無許可販売) 3年以下の懲役または300万円以下の罰金

リスク2:行政処分

  • 営業停止命令
  • 許可の取り消し
  • 一度許可を取り消されると、その後5年間は再取得ができません。

リスク3:民事訴訟・損害賠償

  • 個人情報漏洩 → 被害者からの損害賠償請求
  • 知的財産権侵害品の放置 → 権利者からの損害賠償請求
  • 消費者との取引トラブル → 消費者からの訴訟

リスク4:事業停止・信用失墜

  • 消費者庁・警察による調査が入ると、事業継続が困難に
  • メディアに報道されると、顧客が離脱
  • 一度失った信頼を取り戻すのは非常に困難

「知らなかった」は通用しない

法律の世界では、「知らなかった」は原則として免責理由になりません。特に事業者は、消費者より高い注意義務を求められます。


さいごに:法律対応は「信頼」への投資

「法律なんて難しい話は後回し」と考えたくなる気持ちはよくわかります。しかし、適切な法律対応はコストではなく信頼への投資です。

法律をきちんと守っている事業者は:

  • 顧客からの信頼が高まる
  • 行政からの指導を受けない
  • 長期的に安定した事業運営ができる

一方、法律を軽視した場合:

  • 一度の違反で事業停止になる可能性
  • 顧客・取引先からの信用失墜
  • 復帰に数年かかることも

まずはこの記事のチェックリストで現状を確認し、不安な点は専門家(弁護士・行政書士)に相談することをお勧めします。

参考リンク:


⚠️ 再掲:免責事項 本記事は2026年2月時点の情報に基づいており、法律の解釈や最新の改正状況については専門家にご確認ください。特に個別の事業内容や取り扱い商品によって必要な手続きは異なります。必ず弁護士・行政書士等の専門家にご相談ください。

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